僕の中のあいつ 第一部 第三章
「はい、日野ですが……」

 僕が、電話に出るとほんの少しの間をおいて、実に品の良さそうな女性の声が聞こえた。

『あ、すいません。日野様のお宅でらっしゃいますね。私、泉寺と言う者なのですが、明様は御在宅でいらっしゃいますでしょうか?』

「はぁ……。明は、僕ですけど……」

 ……泉寺?そんな名前の知り合いなんか居ないぞ……何かのセールスかな?

 そんな僕の訝しい思いが伝わったのか、電話口の女性は、少し慌てた様子で話だす。

『申し遅れました。私、優の母でございます。今日もそちら様のお部屋にお邪魔して居るみたいで……。いつも御迷惑をお掛けしております。』

 そうか、優のお母さんだったのか……あいつも未だに家の事、話してくれないもんなぁ……。そうかぁ、優の名字は泉寺って言うんだ……。

「いえ、そんな……。迷惑だなんて、僕も彼のおかげで楽しいんで一向に構いませんよ」

 僕は笑いながら応じた。優と遇ってからは冗談抜きで、毎日が楽しいのだから先方に遠慮されるとこっちが困る。

『そう言っていただけるとこちらも嬉しいですわ。ところで、そちらに息子が居りますでしょ、申し訳ないのですが電話を替わっていただけますでしょうか。』

 優の母親は、コロコロと笑ったかと思うと、急に真面目な声で優と電話を替わって欲しい旨を切り出す。

「判りました、少々お待ち下さいね」

 そう言って、僕は電話を保留状態にして、優にお母さんから電話だよと電話の子機を渡してやる。しかし何故か、優は電話を取りたがらない。小がないなぁ、僕は優のあそこを弄びながら「電話に出ないと、もう好い事してやんないよ」と、耳打ちした。

「お兄ちゃんの卑怯者」

 ゆうは、少し顔を赤らめ、俯きながら小さく呟き、渋々と電話を取る。

「お電話替りました、優です。何ですか?母様……」

 随分と他人行儀だなぁ、それに、かあさまかぁ……、僕なんか、かぁちゃんだよ。実は良い所の坊ちゃんなのかなぁ優って……。

『………………』

「第一、明さんの家の電話番号なんかどうやって調べたんですか?」

『………………』

「どうでも良くは無いです!」

 おいおい、優君、親相手にそんなにエキサイトするなよ。僕は、心の中でそう言いつつこれは僕は居ない方が良さそうだと思いキッチン(と言うより台所の方が相応しいが)へコーヒーを飲む為に移動する。

「…………」

『…………』

 優と母さんの会話は続いている。僕はいれたてのモカを飲みながら、電話が終わるのを待っていた。

「お兄ちゃん、ごめんなさい。僕、今日は帰らなくちゃならなくなったっんだ」

 電話を終えた優は、いつの間にか洋服を着て、申し訳なさそうに喋る。

「どうした、お母さんが帰って来なさいってかい?」

 少し沈んでいる優に、僕は極力優しく答えてやる。

「ううん、母様じゃ無くて、お祖父様が全員を呼んでいるんだって……」

「そっか、じゃぁ、駅まで送ってってあげるよ」

 そう言った僕に対して、優はフルフルと首を振る。

「もうすぐここにお迎えが来るからいいの……」

 ……え?お迎えって……、優ってば、本当にお坊っちゃんだったんだ……。

「……お兄ちゃん、悪いんだけど服を着てくれるかな。もしもこんなのが見つかっちゃったら大変だからさ……」

 おおっ!そう言えば僕は今まで素っ裸で部屋をうろうろしていたんだっけ。僕は、慌てて自分の服を身に着ける。その時、実にタイミング良く玄関のチャイムが鳴る。はーい、と玄関の扉を開けると、黒いスーツを着た老紳士が立っていた。

 老紳士は、バリトンの良く通る声で僕に挨拶をする。

「日野 明様でいらっしゃいますね。お世話になっております。只今、優様のお迎えにお伺い致しました」

 前の道路には黒塗りのリムジンが停まっている。僕はハッキリ言って思考停止してしまった。すると、横から身支度を整えた優がでて来て

「成田、ご苦労様。悪いんだけど、少し車で待っててくれないかな、五・六分でいいから……」

「畏まりました、優様。それではお車でお待ちしておりますので、明様とのお話が終わり次第下の方までおいで下さいませ」

「ごめんね、成田」

 老紳士は、優に一礼をすると、車に向かって歩き出した。その姿が車に消えたのを見計らって優は、玄関の扉を閉めて僕の方に体を向ける。

しかし、僕はまだボーっとしていた。だってさ、お坊っちゃんだって言うのはさっきの電話で察しがついたけどさ、今来たのって執事さんだよね、絶対に……。

そんな事をホケッと考えている僕の前で、優は手の平を僕の目の前に持って来てヒラヒラとさせる。

「お兄ちゃん……?」

「……・あ……あぁ。何だい?優」

「びっくりしたでしょ」

「びっくりしたなんてもんじゃ無いんだけどさ……。優って滅茶苦茶、お坊っちゃんだったんだ……」

「今まで黙っててごめんなさい。あのね、お兄ちゃん【IZUMIC】って知ってる?」

 その名は今時の小学生でも知っている。泉寺重化学工業を筆頭として、あらゆる分野の業種に傘下企業を持っている、日本最大の複合企業体の名だ。

「まぁ、あんなに有名なグループの事を知らないのは今の世界には居ないだろうね」

「ボクはね、その【IZUMIC】の会長の泉寺重吉の孫なんだ」

 まぁ、なんと優は直系の一族なのか……。

僕はとんでもない子を好きになっちゃったのかぁ、まさか殺されないだろうなぁ……。

「お兄ちゃん、ボクの事嫌いにならないでね……」

 優は涙目で僕の事を見つめている。

「バカ、優は優なんだから、僕は気にしないよ……。お前がどこのお坊ちゃまだからって変わりはしないさ。だから優も気にするな、な?」

 そう言って、優の頭をクシャッと撫でてやる。優はウンウンと頷くばかりだ。僕は優の事を抱き寄せて、濃密なキスをしてやり

「ほら、成田さんだっけ?待ってるんじゃないのか?僕は構わないから、来たくなったら何時でも来れば良いし、声が聞きたきゃ何時でも電話すれば良い」

 そう言って、玄関の扉を開けて、優の事をリムジンまで連れて行ってやった。

 優は、車が発進した後も僕の方をずっと見ている。僕は車が見えなくなる迄は部屋に入らずに優の事を見送ってやっていた。


 その夜、僕が優の事で無限思考に入っていると(いや、ただ単に優の事考えてて、ボーっとしてただけなんだけどさ)不意に電話のベルが鳴り響いた。

「はい、日野ですけど……」

『あぁ、すいません、優の母ですが……、あの、そちらにうちの優はお邪魔して居りませんでしょうか?』

 え?優の母さんじゃないか、どうしたんだ?あいつ家に帰ったんじゃないのか?

「いえ、あの後すぐにそちらの成田さんと言う方と、お帰りになりましたけれども……、優君がどうかしたんですか?」

 僕は優の事が心配になって、優の母さんに何があったのか聞いてみる事にした。

『詳しい事はお話する事は出来ないのですけれども、あの子の帰宅後に息子と祖父で激しい言い合いになってしまって……。こんな家もう嫌だと……。』

「もしかして、家出しちゃったんですか?」

『お恥ずかしい話なのですが、その通りです。それで、もしかして日頃あの子が慕っているそちらにお邪魔して居ないかと思いまして……。』

「分かりました、もし優君が来たら、お知らせしますよ」

『大変お手数をお掛け致します。あの子にもしもの事があったら……。』

 優の母さんはそう言って噎び泣いている、 なんか優が話していた印象と違うなぁ……。あいつの話じゃそんなに構ってもらって無い様な事言ってたけど、十分愛されてるじゃないかぁ。もう……、見つけたら、お尻ペンペンだな。

「お母さん、あまり心配しないで、優君はとてもしっかりしている子ですから……」

『……すいません、少し取り乱してしまいましたわね。じゃぁもしもそちらにあの子がお邪魔したらすいませんが、宜しくお願い致します。』

 判りました、と言って僕は受話器を置く。そして、パジャマ代わりのスエットを脱ぎ、優を捜しに行く為に着替えて、外に出る。


 そして、僕は一番心当たりのある場所へ向かう。そう、初めて優と出会った、あの跨線橋の在る場所だ。たぶん、優は、僕の家には来ないだろう、あいつは馬鹿じゃ無い、僕の家にはきっと家の人から何らかの打診が有ると踏むから……。

だから、僕はこの場所にいると思ったのだ。もし優がそこに居なければ、僕は優にとってそれだけの人間だと言う事になる……んだろうな……やっぱり……うう嫌だなぁ。

 そんな自滅的思考をしている間に目的の場所が見えて来た。跨線橋の真ん中の辺りにぽつねんと佇む人陰が見える、しかし、優かどうかはまだ判別出来ない。僕はその人陰が判別出来る位置迄近づいた。

ドキドキ……。あぁ、やっぱり優だ、良かった。とホッと胸を撫で下ろす。しかし、優はあさっての方向を見ていて僕に気が付いていない。

「優」

 僕はそっと後ろから声をかけてやる。

 一瞬優はビクッと身を震わせたが、僕の方へ振向きざまに僕にしがみつく。

「嬉しいな、来てくれたんだ。お兄ちゃん」

「来てくれたんだじゃ無いだろう、優。もし、僕の所にお母さんから電話が来なかったらどうするつもりだったんだ?」

 僕はしゃがみ込んで、優のほっぺたを軽くパチンと叩く。

「母様から電話が来たんだ……」

「凄く心配していたぞ、あんまり親を悲しませるんじゃ無いよ。さぁ、一緒に付いて行ってあげるから、家に帰ろう」

 すると優はハッキリとした拒絶的な口調で「絶対帰らない」と言う。何で?と聞くと、家に帰った時にお祖父さんが、優に父親と一緒にヨーロッパへ行って勉強して来る様に言われたらしい。そうすると、もう僕と会えなくなってしまう。それが嫌で家を出てしまったのだそうだ。

「うーん、大体判ったよ。僕としてはとても、凄く、滅茶苦茶、嬉しいな……。でもね、少なくともお母さんだけは泣かしちゃ駄目だ。家に電話がかかって来た時に、泣いちゃったんだぞ。お前の母さんは」

「御免なさい。お兄ちゃん」

優は、素直に謝るが、謝る相手が違うって……。

「じゃぁ、家に電話しよう、最初は僕が話してあげるからね」

 僕はそう言って、近くの公衆電話迄移動する。優はと言えば、コクンと頷いた後、僕の服の裾を掴んで、まるでアヒルの雛みたいに僕にくっ付いてくる。僕は、優に家の電話番号を教えてもらい(さっきは慌てていたお母さんが連絡先教えてくれなかったし、今迄も優の方から電話がかかって来ていたので知らなかったのだ)泉寺家へ電話する。

すると若い女の人が出て来て応対をしてくれた。メイドさんの1人なのかな、やっぱり。なんて事を思っていると、優のお母さんに繋がった。

「もしもし、優君のお母さんですか?夜分にすいません、日野ですが……。……はい……はい、いえ、優君は僕が保護しました。え?名古屋?いえ、違いますよ。僕の家の近くです。ええ、そうです。ただ、一寸彼がまだ少し家に帰りたがらないんですよ。もし良ければ僕の家に暫く置いておこうと思うんですが、どうしましょうか?……はい、はい、いいえ僕の方は一向に構いませんので……判りました、じゃぁお待ちして居ります。あ、彼に一寸替わりますんで」

 一応の報告を済ませると、僕は優に受話器を渡してやる。優は暫く躊躇うが僕の目を見つめてから、覚悟を決めたか、大きく息を吸い込んでからはなし始める。……でも、優が名古屋に居るって言う情報は一体どこから出たんだろ?

「母様、御免なさい。御心配お掛けしました。
ボクも明お兄さんの言う様に暫く明お兄さんのとこに居たいんですけれど……。はい、ありがとうございます、母様。……いえ……洋服だけ新幹線で……ISS特務が僕の事捜索すると思ったんで……。あの……母様、お祖父様に、ボクは絶対嫌ですって言っておいて頂けますか。それじゃ……本当に御免なさい」

 そう言うと、優は、僕に電話を渡す事無く受話器を置いてしまった。さーて、帰り道で一体どう言う事か事情聴取だね、これは。


 優の話では、優が名古屋に居るって言うのは、あいつの小細工による情報らしい、優が着ている、って言うよりも泉寺の人間が着ている洋服の殆どは特殊な発信機が付けてあって誘拐や事故その他により行方がわからなくなった時にISS(泉寺セキュリティーサービス)の特務班を駆り出して捜す事が出来るらしい。

特務班って言うのはISSの中でも腕利きのメンバーを集めた、泉寺家とVIP待遇の人間(聞く所によると国家元首クラス以外は相手にしないらしい)のみを対象としたSPの役割を受け持っているそうだ。

 優はそれを逆手に取り、東京のデパートで洋服を買ってその場で着替え、その着替えを新幹線の中に放り込んで来たらしい。そして、当の本人はあの場所に居たって訳だ。悪賢いやっちゃ、全く。

「優、お腹空いたろ。そこのファミレスで飯でも食べてこう」

 実際、僕も一寸小腹が空いていた。ましてや優は育ち盛りなんだから余計だろう。

「さて……と、何食べる?優。何でも好きなもん頼んで良いぞ」

 もうかなり夜も更けているので客の数も疎らだ、僕達は奥の方の席に座る。そして、僕と優はそれぞれ料理を注文する。

「優、これから暫くの間は家においてあげるけど……その間は、毎日一回で良いから、家に電話するんだよ。それが出来なきゃ僕は家においておけないからね、いいね?優」

「判ったよ、お兄ちゃん。あ、それと一つ聞いていい?」

「なに?」

「あのね、さっきお兄ちゃんと、母様がお話してたでしょ?その時に明日お待ちしていますって言ってたよね?あれはどう言う事?」

「あぁ、あれはね君の着替えとかを持って来るからって言ってたんだ。決して優の事を引き渡すとかじゃ無いから安心しな」

 そう言うと優はそれ迄の不安そうな表情から一転してにこやかな表情になる。そうこうしている間に料理が運ばれて来る。僕達は料理を食べながらとりあえずは他愛の無い話をする。

昼間は、ああいう事をしちゃったし、その後はその後で大変だったしでお互いの会話が無かったのだから、話ははずんだ。何時しか料理は食べ尽し食後の一服状態になっている僕達の前に店員がラストオーダーを聞きに来る。

おっ、もうそんな時間か、そろそろ帰ろう。僕は伝票を持って立ち上がりレジに行こうとした時に優が僕の手から伝票を取ろうとする。

「今日はボクが払うよ」

 僕はこめかみを押さえつつ

「あのね、優、君がいくらお金を持ってても僕は君におごって貰うなんて真似は出来ないししようとも思わないの。いいから子供は黙ってなさい」

 そう言うと優はぼそっと「その子供にあんな事したくせに……」と僕にしか聞こえない様な声でとんでもない事を言う。むむむ、そうきたか……。僕は反撃にでる。

「じゃぁ、もうそんな事してあげなくていいんだね。それなら、払って貰おうかな」

 そうくるとは思っていなかったか、優は「えぇー、そんなのやだー」と、プクッと頬を膨らませ抗議する。やー、やっぱり可愛いなぁ。僕は笑って優の抗議を躱して、レジで精算をする。


 家に帰った途端落ち着く暇も無く優は僕に飛びついて来てキスをする。

「ねぇ、お兄ちゃん、しようよー。さっきしてくれるって言ったよね」

 おいおい、いきなりかよ。第一、僕は家に着いたらしてあげるなんて言って無いぞ。何かサル状態になって無いか?こいつ……。と、思いつつも、僕も似た様な状態に陥っているので、人の事は言えない。

しょーがないなー、なんて言いつつ僕はいそいそと、寝室に優を引き込む。しかし、少し意地悪をして、優に対して何もしてやらない。

「お兄ちゃん、しないの?」

「何を?さあ、もう寝るよ」

 僕はさらにとぼけて横になり布団をひっかぶる。えぇー、と抗議の声をあげる優。くくっ、面白いなぁ。もう一寸焦らそっかなぁ……。

「お兄ちゃんの嘘つき」

 そう言って、優は僕の布団に潜り込み僕に背を向けてしまう。うーん、一寸からかい過ぎたかな?僕は優の耳もとに口を近付けて囁く。

「優、何をして欲しいのか言ってごらん」

優は僕の方に体を入れ替えて僕の一物に手を添える。

「あのね、お兄ちゃん。ボクの事、お兄ちゃんので気持ち良くして欲しいの」

 ん?それって入れてって事か?まさかね……。

「どう言う風にだい?」

 僕はさらに聞いてみる、今の優の発言の真意を聞きたかった。

「だからね、お兄ちゃんのを、ボクの中に入れて欲しいの……。お兄ちゃんだってしたいでしょ」

 これではっきりした、優は僕とセックスしたいと言っているのだ。しかしそれがどう言う事か判っとるのか?こいつ……。

「あのな、優。はっきり言って、最初はすっごく痛いんだぞ、判ってるのか?」

「判ってるもん。それにボクだって、お兄ちゃんとせっくすするのに、ちゃんと練習したもん。だから大丈夫だよ」

 ……れ・練習って……。なにをしてたんだ?

「判った……後悔しないね?」

「後悔する位なら家出しないし、ここにも来て無いよ」

 確かにそうかもしんない……。

 優の決意と言うか何と言うか……を聞いた僕も心を決めた、なるべく苦痛を味あわせない様にしてやろうって……。

 僕は掛け布団を退け、優の事を優しく抱き寄せてやり、壊れ物を扱う様な感じで優の体をくまなく愛撫してやる。日の高い内にしてやった事よりも更に丁寧に……。

「……う・ん……お兄ちゃん、い・い……」

 優はすでに感極まった声を出している。その声を聞いているだけで僕の物は大きくなって来る。僕は優の他人が初めて触るであろう彼の窄まりに指を這わせた。ビクッと体を震わせる優。

「……あっ……」

 僕は、中指を唾液で十分に湿らせてゆっくりとその部分にあてがい、力を込める。すると、意外にも優の窄まりは僕の指をすんなりと受け入れる。

「痛くないかい、優?」

 僕がそう聞くと、優は大丈夫、と言う。僕は暫く指一本で窄まりの周辺の筋肉を柔らくほぐしてやる。だいぶ熟れて来た頃、僕は体を入れ替え、優のお尻の前に顔を持って来て、窄まりに舌を這わせる。そして、窄まりの皺一本一本迄丹念に舐めてやる。

「ひ・ぃっ」

 その初めての感覚に優の声は裏返る。

「あぁッ……何かお尻が熱ぅい変になっちゃうよぉ……」

 暫く僕は一心不乱に優のそこを舐め続けた。既に優のその部分は僕の唾液でフニャフニャになってきていて、ピチャペチャと湿った音をたてている。そこで僕は一旦顔を放し、再び指をあてがう。が、今度は人さし指を増やして二本だ。

しかし、さっきからの愛撫が効いているのか、少しの抵抗の後それを根元迄飲み込んでしまう。僕は漫画や、小説なんかでよく出て来る台詞を言ってみたい衝動にかられてその言葉を言ってみる、優はどんな反応するかな?

「いやらしいなぁ、優。こんなに嬉しがっちゃって……。ひくひくしてるぞ」

「お兄ちゃん、おやぢくさい……。それにそんなにしたのはお兄ちゃんだい」

 がーん、おやぢって言われてしまったよ。

「お・おやぢ……」

 僕がショックを受けて落ち込み、愛撫が中断されると、優はパタパタと手を振り

「あ、嘘、嘘、お願いだから止めないでよ、もうすぐイきそうなのにぃ」

 そう言って僕におねだりをする、その際僕の物に指を這わせて先端に口付けをしている。

「判ったよ。じゃ、そのままくわえ込むんだ。しっかり濡らして置かないと後々痛いぞ。それといきそうなら一回いっちゃえ」

 そういって僕は、差し込んだままの指を動かしながら、優の大きくなり切って、今にも爆発しそうな物をしごいてやる。

 優は、しゃぶっていた僕の物から口を放し「ひゃうんっ」と言う声と共に果ててしまう。

 僕は、優が出した白濁を掌で受け止める。

「優、もういいぞ。そろそろ、お望み通り入れてあげるよ。でも痛かったらちゃんと言うんだぞ」

 コクンと頷く優。心なし顔が強張っている。まぁ、当然だろう。僕は優を仰向けにさせ更に下半身をMの字に開かせた。俗に言う大股開きだね。そして、自分の物に優が出した白濁を塗りたくりローションの代わりにする。優の唾液と混じり合い、とてもいい具合に滑る。

「入れるぞ、優。息を吐いて、力を抜くんだ……」

 僕は片手を優の手と重ねて、くちづけをする。そしていよいよ僕の物を優の窄まりにあてがい静かに挿入し始める……が、なかなか入って行ってくれない。僕は、一旦体を起こすと、優の腰を両手で支え、再び優の中に侵入を試みる。

 ずぬう、そんな音が聞こえて来そうな感じだ。優の入り口が、抵抗している。優は初めて体験する太さに口をパクパクさせて一生懸命息をついでいる。

「痛いか?」

 優に問い掛けると、気丈にも「ううん、大丈夫……」と言う答えが返る。

 そして遂に入り口の抵抗がすっと無くなる、途端に僕の物は一気に優を貫いた。

「あ……がっ……」

 優の眼が目一杯見開かれ苦鳴にも似た声が洩れる。やはり相当な痛さだったのだろう、優の瞳からはボロボロと涙が零れる。僕は今貫いた部分に目をやる。……良かった……、切れてはいない様だ…….改めて優と結ばれたんだと言う思いが溢れ出す。

「大丈夫か?優」

「……ちょっと、痛い……お・兄ちゃんのって……結構……おっきいんだね……。でも、温かくて気持ちいいな、それに、い・ま凄く……嬉しいんだ……。これで……お兄ちゃんと一緒だもんね……」

 優は息も絶え絶えと言った口調で話す。何とも意地らしい優の言葉を聞いて何かジーンとしてしまった。

「動くよ、優。なるべく痛く無い様にしてあげるからね……」

 僕は、再び優と唇を重ねゆっくりと腰を動かし始める。優の中はとても温かく、そしてとても狭かった。この分じゃ、すぐに果ててしまうだろう。

「お兄ちゃん、ボクの中気持ち良い?」

 優は実にタイムリーな質問をして来る。

「あぁ、凄く良いよ、温かくてヌルヌルしてて最高だ……」

 すると、優は僕の首に腕を絡ませて来て「嬉しいな」と言って来た。うぅー可愛いよぉ。

 僕は優の苦痛を和らげるべく、精一杯優に奉仕する。小さい乳首をまさぐり、首筋に舌を這わせ、そして再び頭を擡げ始めた一物をしごいてやる。優も、感じて来ている様だ。まぁ、後ろからの快感で無い事は確かだろう。普通は、漫画みたいにいきなり入れられて感じる様なとんでもない体をして無い。

 僕はそろそろ我慢の限界が近づいて来ていた。優もだいぶキている様だ。

「優、もう駄目だ……。いきそうだよ」

 僕は、快感の為に少し早くなって来てしまっている腰使いを、スローテンポに戻して優に囁く。

「いいよ、ボクの中に出して、ボクもまたいきそう……」

 そして、僕は優の中に大量の精液を注ぎ込む。

「あぁっ、お兄ちゃんの熱いのが入ってきたっ」

 そう言ったのと同時に優もイッた。



 僕達は暫くその余韻を楽しむかの様に繋がったまま、お互いの唇を貪っていた。いつしか、僕達はお互いを抱き締めたまま、どちらとも無く深い眠りに落ちていったのだった。



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