続・代償1
「ねぇ、先輩?この頃あいつら妙に大人しいと思いませんか?」

「そうだなぁ……なんでか知らないけれどいきなり大人しくなっているんだよな……もうすぐ文化祭だし、このまま大人しくしていてくれればいいんだけどな……。」

 ここは、私立聖陵高等学校生徒会室。書類を片付けながら話しているのは生徒会長の佐久間順と副会長を勤めている日比木良矢の二人である。二人は先月行われた生徒会役員選挙で他の候補者を大きく引き離して当選した。

 順は自分では気が付いていないのだが聖陵高校でのカリスマ的存在となっている。成績の良さと、眼鏡をかけた落ち着いた感じのその顔で女生徒だけでは無く男子生徒迄に人気が有る。一部の噂ではバレンタインに男子生徒からもチョコを貰ったと言う話まである位だ。

 一方の良矢は順と較べるとどうしても見劣りがしてしまうが、少し短かめに刈り上げた髪とクォーターの為に少し日本人離れした西欧系の顔だちとさっぱりとした性格が、やはり非常に人気がある。

 前生徒会からは、今期の生徒会は顔で選ばれた等と言われていたのだが、今はそのやっかみも無い。きちんと生徒会の仕事をもらす所なくこなしているからである、しかも前期の人間よりも遥か及ばないレベルの仕事をやってしまっている。

 この学校はあまり偏差値が高く無い為に結構素行の悪かった学生が集まってしまっている。酷い時には、学校中のガラスが割られたり、数々の式典を邪魔されている。歴代の生徒会はそれが頭痛の種だった。ところが数週間前からそう言う行動をしていた生徒が一切示威行動を止めてしまったのだ。その為、学校中で色々な憶測が飛び交っていた。

「俺が聞いた話なんですけどね。何か、今迄暴れていたやつらって、その前に必ず進路指導室に呼ばれて、そのまま2、3日学校を休んでいるらしいんですよ……。」

「ふーん、それでその後はいきなり大人しくなってるって言うのかい?」

「大人しくって言うより、腑抜けたみたいになっているって言うんですよね……。」

「……腑抜けねぇ……、まぁ、あいつらが大人しくなっているに、越した事は無いさ。おかげで今年の文化祭はきっちりと進められそうだしな。」

 順は、完璧に他人事の口調で笑いながら話す。確かに他人事なのだが……。

 そうして、各クラスや、クラブ、委員会等の文化祭の企画書をまとめているうちに、日は沈み部屋の明かりを灯さなくては作業が進まなくなってしまう。二人は先ほどの会話等無かったかの様に雑談をしながら次々と作業を進めていく。

 ……コンコン、ガチャッ

「何だ、佐久間達はまだ居たのか……。もう時間も遅いのに……、文化祭迄はまだ日にちがあるだろう、頑張るのも良いがお前達の本分は勉強なんだからな。判ったら、さっさと帰れ。」

 ノックの音と同時に生活指導の岡村が入って来た。彼は、その立場を利用して生徒達に難癖をつけるのが得意な奴だ。そのくせに、自分より強い奴には何も言わない。学校がこんなに荒れてしまったのはこいつに原因があると言うのが生徒達の一般的な意見だ。

「でも先生、まだ七時過ぎたばかりですよ。後少しで一区切りつくんでもう少し居させて下さいよ。」

「お願いします先生。」

 二人は、多少ムッとしながらも、それを表に出さずに懇願する。

「駄目だ。後5分で下校するんだぞ、いいな。」

 そう言って、岡村は二人の発言をまるっきり無視して生徒会室から出ていってしまう。

「ちぇ、何だよ。ホント嫌な奴だよなぁ……。」

 ギッと、椅子にもたれかかり、口を尖らせる良矢。その声に順は少し声を潜めて注意する。

「おい、迂闊な事言うなよ、良矢。あいつの事だから、そこらで聞き耳たててるかも知れないぞ。」

 良矢は入り口の方に忍び寄り、そろそろとドアを開け、用心深く廊下の状況を確認する。そして、大きな溜息をつき、今度は順を標的に文句を言う。

「先輩、酷いですよ。あんまりおどろかさないで下さいよね。」

「悪い悪い、でもあいつならやりそうだからね。」

 順は笑いながら、鞄を持つ。

「さ、良矢行こうぜ。ぐずぐずしてるとまた岡村が来ちまう。帰ろ帰ろ。」

 良矢は慌てて、順と一緒に生徒会室を出ていく。

 既に、暗くなっている廊下を二人で歩いていると、向こうから一人の生徒が歩いて来た。

「あれ?鷹野じゃん。どうしたん?」

 良矢が鷹野と言った生徒がこちらに気付き、寄ってくる。

「なんだ、良矢か……お前らが何でこんな時間迄いるんだよ。」

「いやぁ、生徒会の仕事さ。もうすぐ文化祭じゃん?結構仕事が一杯あってさぁ……まだやっているつもりだったんだけどね、岡村に追い出されちゃったから帰る所なんだ。……でもさ、何で鷹野がこんな時間にここにいんの?それが不思議なんだけどさ。」

 鷹野は良矢の同級生である。普段は寡黙で殆ど他の生徒と話す事は無いのだが、良矢とだけはなぜか馬があうらしく良く話している。どちらかと言うと素行不良な生徒で教師の悩みの種になっているのだが、つるんで悪さをしたりはしない。逆にそう言う奴等から喧嘩を売られたりしているのだが、ことごとく返り打ちにしているうちに、鷹野には逆らうなって位になっている。

「岡村に呼ばれたんだよ。今日、この時間に進路指導室に来いってな。」

「なんかしたん?」

「したっていったら、この間の進路調査票を白紙で出したのとかったるくてサボったのかな……。それ位だ。」

「そっか……。じゃ、きをつけてな。」

「ん、せいぜい退学にならない事を祈っててくれ。」

 そう言って、彼は後ろ手に手を上げ暗い廊下に消えていった。それから一週間、彼は学校に来なかった。



 一週間後の朝、良矢は寝坊してしまい、始業のチャイムぎりぎりに校門を駆け抜けた。汗まみれになりながら教室に入り、席に鞄を置く。息を整えながら周りを見渡すと、暫くの間空席になっていた所に人が座っているのに目が行く。良矢は、そこに座っているのが、鷹野だと言うのに気が付き、鞄から出したタオルで汗を拭きながら挨拶をする。

「何だよ、鷹野。随分久し振りじゃん。一体どうしたん?停学になった様子も無かったし、心配したんだぜ〜。」

 しかし、鷹野の反応は良矢の想像を遥かに超えていた。

「…………」

 彼は良矢を完全に無視して、鞄から一時限目の教科書を取り出し黙々と読んでいる。

「おい、おいってば!」

 良矢は、彼の肩をつかみユサユサと揺さぶる。

「うるさい、僕はこれから予習をするんだ。近寄るな、気が散る。」

「はぁ?お前が勉強?どうしたんだよ、お前らしくない……。」

「…………」

 再び完全に無視された良矢はムッとして自分の席に戻る。そして、少し頭を冷やしながら自分の思考を整理する。

(一体どうしたって言うんだろう。前はあんな事言う奴じゃなかった……ましてや『僕』なんて絶対言わなかったよな……一週間前に学校を休んでから……そうだ……一週間の間に絶対何かあったんだ。)

 おかげでその日は授業で何をやったのか、全く良矢の頭には残っていなかった。一方、鷹野は今迄になかった優等生振りを見せつけその態度が、更に良矢の心をかき乱していた。



 その日の放課後、良矢はいつものように生徒会室で文化祭の準備をしながら順と話をした。

「絶対おかしいですよ!あいつはあんなキャラクターじゃない!絶対変になっちゃったよ!」

「あいつって、この間廊下で遇った彼だろう?」

 激昂している良矢の話を聞きながら作業をしていた順は一旦その手を止めて、良矢の方に向き直る。

「そう、鷹野ってんですけど……この間遇ったのを最後に学校を休んでいたんですけど……。今日、久し振りに学校に来たなって思ったら別人みたいになっちゃってんですよ。いや、あれはもう別人です。先輩はそう言う人知らないですか?」

 順はしばらく考え込んで低く唸った。

「……いるな……。」

「いますか!」

 良矢は身を乗り出して順の話を聞く。もう作業どころではない、生徒会の仕事は完全に後回しになってしまっている。

「うん、自分のクラスじゃないけどな。急に静かになった奴がいるって話が聞こえててね、良矢の話が本当なんだって思ってたんだ。」

「そうですよ、絶対何かあるんですよ!」

「でも、実際に本人達に聞いても何も答えないだろうな。」

「ええ、実際鷹野に聞きましたけど……まるっきりの無視です。」

「やっぱり……」

順は目を瞑り腕組みをしながら考えている……しかし、あまり良い考えが浮かばなかったらしく申し訳なさそうに言葉を綴る。

「ごめん、なかなか良い考えが浮かばない。正直な話、先生達が一枚噛んでいると思うんだけど……そのまま聞く訳にもいかないし……暫く静観するしか手が無いと思う。」

「やっぱりそれしか無いですか……。」

 口惜しそうな顔を浮かべる良矢。二人はお互いの顔を見つめたまま沈黙している。そこへ、ドアをノックする音が聞こえて来た。

「どうぞ、開いてますよ。」

 順が応え、ドアを開けるとそこに生活指導の岡村が立っていた。

「御苦労だな……、文化祭が近付いて忙しいとは思うんだが、今日はもう帰りなさい。先生達も忙しくてな。ちょっと面倒を見てられんのだ、悪いな。」

 二人は先日の一件があるのでさして文句を言わずに帰り支度を始める。下手に抵抗しても、また何か難癖をつけられそうな気がしたのだ。

 二人が薄暗い廊下を歩いていると、前方に鷹野の姿があった。鷹野は二人に気付いた様子は無くその足取りは熱にうかされているかの様にふらふらとしている。良矢は何か言い知れぬ感覚に包まれ、ひそひそと順に耳打ちをする。

「先輩……、俺あいつの後をつけてみます……、何か判るかも知れないから……。」

 順も、自然と声が小さくなっている。

「それはいいけど……俺も一緒に行こうか……?」

「いえ……いいですよ、一人の方が気付かれにくいと思いますから……。」

「そうか……、気をつけろよ、何か嫌な予感がする。危なくなったら速攻で逃げろよ。」

 良矢は、コクンと頷くと足音を忍ばせ鷹野の尾行を開始する。順の予感は後に現実の物となるのだが、今はそれを知る由も無い。それに良矢は既に順の視界から消えている。彼は心配そうな視線を廊下の先に送り家路に付いた。



 一方、良矢は鷹野の後を付かず離れずと言った感じで追い掛けていく。相変わらず彼はふらふらと、生徒会室のあった管理棟から敷地内の外れにある講堂の方へ移動していく。

(あれ……あっちってこの間迄工事中で立入禁止だった場所だ……。)

 良矢は首をかしげながら暗闇に溶け込みそうな鷹野を見失わない様に追い掛ける。そして、その姿をジッと見つめる一対の目があった。しかしその事に良矢は全く気が付いていない。

 鷹野は講堂の正面を通り過ぎ、裏手の方に廻り込むとポケットから何やら取り出してごそごそ何かをいじる。するとやおら、一筋の光が彼を照らし出し、その中に彼は消えていく。

 良矢は、慌てて彼が消えた場所に移動して携帯していたマグライトで周囲を調べる。そこには昼間であればもっと良く判るのだろうが周囲の壁とほぼ同じ材質で出来た扉があるのが確認出来た。そして、その横に、何かのカードと暗証番号でのみ開くのであろうテンキーとスリットがある。

(うーん……これじゃ入れないよな〜。どうすればいいんだろう。)

 良矢が途方に暮れていると、後ろに人の気配がした。慌てて振り向こうとした良矢の首筋にヒヤッとした物があてがわれ、その瞬間バヂッ!と言う音と共に良矢の意識は闇の中に落ちていった。



 良矢が意識を取り戻したのは見覚えの無い一室であった。しかも、両手両足をがんじがらめにされている。ただ、今の段階で手足を縛られていなくてもさほど変わりはしなかっただろう。良矢の身体は先程の一撃のお陰でまだ痺れが取れていなく全く身体を動かす事が出来ない。

 まだはっきりしていない意識を必死に回復させようとする良矢。

(ここ……どこだ……?)

「ふん、気が付いたか……。」

 良矢の背後から聞き覚えのある声がする。何とか体勢を入れ替えようとするのだが上手くいかない。

「その声は岡村先生でしょう。一体何のつもりなんですか。人をこんな目にあわせてただで済むと思っているんですか?」

 精一杯の虚勢を張る良矢。自分でもこんな脅しが通じるとは思っていない。通じるのであればこんな体勢で転がされはしないから……。

「馬鹿な奴だ……。せっかく人が先に帰れと言ってやったのに……。探偵気取りで探り廻るからこんな目にあうんだ。」

「僕はただ、鷹野君の事が心配で……」

「ふん、あんな屑どもの心配なんぞする必要は無い。私達がしっかりと更正させてやっている。」

「更正って……あんな別人みたいにしちゃうのが更正なのかよ!一体どんな酷い手段を使えばあんなになっちまうんだ!」

 良矢は怒りに任せ岡村を弾劾する。

「お前は目上の者に対して礼儀がなって無いな。……判った、そんなに知りたいのなら身をもって知ればいいさ。おい、このお坊っちゃんを特別教育室につれていってやりなさい。」

 そういって岡村は良矢の事を後ろから立たせる。そこには良矢が驚く人間がいた。

「すっ……進!」

「お久し振り良矢君。ようこそこの特別棟へ。」

 良矢の目の前に立っていたのは、半年前に家庭の事情で学校をやめ、働いていた、彼の元クラスメイトであった。しかし、良矢が受けたショックはそれが原因では無い、彼のその格好に問題があった。

 進は、首輪をはめ、乳首にピアスを施され、大きくなっているそこにはコックニッパー、肛門からは尻尾型のバイブが突き立てられ、……ぃぃぃと低い音をたてて動いているのだ。まるでSM雑誌にでも出て来るような格好をしていた。

 余りと言えば余りの再会に良矢はただ絶句するしか無かった。

「どうしたの?良矢君。久し振りに会ったって言うのに随分と冷たいじゃ無いか……。そうか、あまり久し振りだから恥ずかしいんだね。でも大丈夫、ここにはそんな事を恥ずかしがる様な人は居ないから……。さぁ、そんな野暮ったい学生服なんか着てないで特別棟用の制服に着替えよう。」

 彼はそう言うと妖艶に微笑む。その微笑を見て良矢は自分が蜘蛛の巣に引っ掛かった蝶の様な気分になった。何とかして助かりたい、良矢はただそれだけを願い、後ろで自分の事を支えている教師に哀願する。

「先生、お願いです、俺を帰して下さい、ここの事は誰にも話しません。だからお願い、家に帰して……。」

「甘いよ、日比木。もう家には私から連絡を入れた。生徒会の合宿で暫く家に帰れないので御心配お掛けしますがって。親御さんは心配していたが、これが終わったら一流大へ推薦出来るっていったらひどく喜んでいたよ。ぜひよろしくってな。」

「でも、会長が家に問い合わせたらどうするんですか?」

「そこら辺も手は打ってあるのさ。お前が心配する事じゃ無い。さぁ、さっさと着替えてしまうんだ。」

 そう言って、岡村は進にハサミを渡す。それを受け取った進は、器用に良矢の学生服を切り刻んでいく。徐々に良矢のスポーツによって鍛えられた、均整の取れた見事な裸体が現れる。

「おい、進!いい加減にしろよ!もう充分だろっ!」

 すっかり衣服を剥ぎ取られた良矢の身体は羞恥と怒りの為に真っ赤になっている。思わず声を荒げた良矢の後ろから、冷徹な岡村の声が聞こえる。

「日比木……。私はお前がもう少し利口だと思ったんだがな。今のお前の立場でそんな事を言えはしないんだぞ。」

 そして、彼は良矢を支えていた手を離す。まだ四肢に自由の戻っていない良矢の身体は崩れ落ちる。

「ふむ……、まだ身体は痺れているか。まぁ、着替えさせるのに手間はかからんが……。移動が辛いな。おいあれを持って来てやれ。」

 進は扉から顔のみを外に出し、何か指示を出している。そして、再び良矢の前によって来て、しゃがみ込み、良矢の顔を覗く。

「まずは……先生、少しだけ手伝って下さい、これをつけないと……。」

 そう言って進が取り出したのは革製のマウスストッパーだった。良矢はそんな物つけられて堪るかとばかりに口を固く結ぶ。一度閉じてしまった口は容易に開く物では無い。

 岡村は良矢の鼻をつまむ。しかし良矢も踏ん張り、唇のみを開けフーフーと荒い息をついている。そこで岡村は空いている片手で口もすっぽりと覆ってしまった。完全に息が出来なくなってしまった良矢の顔が見る見るうちに真っ赤になってくる。

 やがて失神寸前迄追い込まれた良矢の状態を見て取った彼は口を覆っていた方の手を退ける。良矢は思わず口を大きく開け、新鮮な空気を肺一杯に取り入れようとする。

 そこに絶妙のタイミングで進がマウスストッパーを装着してしまう。良矢は反射的に口を閉じようとしたが金属リングが邪魔をして顎を閉じる事が出来ない。これで、良矢は自分の意志で口を閉じると言う行為が出来なくなってしまった。

「あー……あんえおんあおおううんあ……」

 顎が開きっぱなしの為喋ると言う行為さえ出来ない。

 進は次に良矢の事をうつ伏せにして、腕を縛ってあったロープを解きこれもまた革製の手枷をはめる、それにはチェーンがついており、その先に立派な首輪がついている。その首輪を良矢の首にはめ、窒息しない程度に絞める。後ろ手に腕をきめられた良矢は迂闊に腕を下げよう物なら、自分で自分の首を絞める事になる。

 次に、足の戒めを解いた進がエナメル製のピンヒールブーツを履かせる。しかもそれには肩幅以上もある棒がついており、強制的に股が開いてしまう様になっていた。つまり自由に歩く権利さえ奪われた訳だ。良矢は今の自分の状況が情けなくて涙が出て来た。

 そこにガラガラという音と共に先程指示された物であろうベッドらしき物が運ばれて来た。それを運んで来たのは、見覚えのある少年と、他ならぬ鷹野であった。

「おい、聞いてるか?日比木。これからお前はこの3人の先輩に勉強を教えて貰うんだ、こいつ等の言う事は全部この私からの指示だと思うんだ。いいな?わかったら返事をするんだ。」

 もうどうにもならないと観念したのか、思いの他素直に頷く良矢。

「よし、大分素直になったな。それではこの特別棟の生徒になったと言う証を押してやろう。」

 そう言って岡村が手にしたのは、ベッドと一緒に持って来たらしい一本の棒だった。ただ、普通の棒と違うのは先端が真っ赤に灼けている事だ。しかし、うつ伏せになっている良矢にはそれが判らない。

 じゅうぅぅぅぅぅぅ!

 「ああああああああああ!」

 良矢の悲鳴がその音と共に響き渡り、肉が焼ける嫌な臭いが部屋に充満する。そして良矢は余りの痛みに失禁しながら気絶してしまう。

「これで君は名実共にここの性徒だ。」

 岡村は楽しくて仕方が無いという風にクククと笑っている。良矢の引きしまった尻にはくっきりと校章の焼き印が押されていた。





inserted by FC2 system